天明創業以来、古い伝統を守りながら蔵人たちの田でとれた契約米を中心にこだわり純米酒・純米大吟醸酒等の高品質のお酒を提供し続ける後藤酒造店。
「天明八年創業」とは、蔵にあった古い什器を入れ替えた際、什器に刻まれていた「天明」の文字が発見されたことから、その時期にはすでに酒造業を営んでいることが判明しました。
現在、蔵で醸すすべての酒は特定名称酒となり、代表銘柄の『辨天（べんてん）』は七福神の中で音楽や芸能を司る女神「辯才天」に由来しています。これは、創業者の初代、後藤卯左衛門氏が当地で酒造業を始める際、京都の神祇官から蔵近くで「辯財天」を祀っている奥津島神社に由来した「辯天」を名乗ることを許されたことが起源です。
2017年時点の生産量は約600石。主に蔵人たちの田んぼでとれる契約米を中心に使い、純米酒・純米大吟醸酒を造っています。また、酒造好適米にこだわり、少量の小仕込みに徹して高品質のお酒を醸しています。

はじまりは、富士山本宮浅間大社の門前町の酒屋から。
近江商人であった初代当主山中正吉翁が富士宮市にある富士山本宮浅間大社のご近所に1830年（天保年間）創業、当時の屋号「中屋」の大きな刻書看板は今も店内に飾られています。 当時からこの地は浅間大社の門前町として、また物資の行き交う要衝の町としても栄えていました。富士高砂酒造の広い蔵屋敷の中、手入れの行き届いた幾棟もの蔵が立ち並ぶ様子からは、そのころの繁栄した往来が伺えます。蔵が最も大切にしている井戸には、霊峰富士の伏流水が湧き出し、これが蔵の仕込み水として最大の特徴でもあります。

「雲ノ上」は、とにかく「静岡産」にこだわったお酒になっています。米は「静岡のオリジナル酒米：誉富士」と「静岡産コシヒカリ」を使用。水はもちろん「富士の伏流水」、そして酵母も静岡が全国に誇り、数々の品評会で多くの入賞酒を生んだ「静岡酵母」です。誉富士は酒米の王様と言われる山田錦系の流れを持ち、静岡県で研究開発されたもの。現在静岡県内酒蔵のみで使用されている希少品種。これと静岡産コシヒカリを使っています。また静岡酵母は、白桃やバナナのような穏やかな優しい香りを特徴とした典型的な食中酒に向く酒を醸すのに使用されます。「静岡」がぎゅっと詰まった自慢の酒です。

山口県周南市。瀬戸内海に面した市の一部は中国山地までひろがります。気候は温暖ですが、錦川の上流にあたる鹿野盆地などでは冬季に積雪があります。市街地は海軍産業で栄えた歴史があり、酒蔵のある飯島町は今でも飲食店が立ち並ぶ地域。この辺りは上質な水が湧くことで知られ、酒造りに適した地域とされてきました。

年間製造量は300石～340石と小規模ですが、「四季蔵」と名付けられた蔵では酒母造り・仕込み・上槽（搾り）といった重要な工程すべてに空調を整備。 一定の温度に保たれた環境で年間を通じた酒造りが可能な一年中お酒の香り漂う四季醸造蔵です。