-蔵元の紹介- 櫻正宗(株)
-400年の歴史-
櫻正宗の誕生は寛永2年(1625年)にさかのぼります。池田荒牧村(現・兵庫県伊丹市)にて創醸を始め。約400年もの歴史を持ち、その伝統は今も脈々と受け継がれています。
-『正宗』銘の元祖-
現在、清酒において『正宗』の銘をもつお酒は100を超えますが、灘五郷にあり『正宗』の元祖たる酒は『櫻正宗』です。その名の由来は仏教の経典「臨在正宗(りんざいせいしゅう)」に端を発し「せいしゅう」の音が「清酒」に通じることから『正宗』(まさむね)の名を冠せられました。その名は天保11年(1840年)宮水の発見とともにはじまり、現在も変わることなく続いています。
-宮水の発見蔵-
酒造りの命とされる『水』、櫻正宗で使われている『宮水』は天保11年、六代目当主、山邑太左衛門によって発見されました。当時、櫻正宗では西宮郷と魚崎郷とで酒を造っていました。ところが常に西宮郷で造られる酒が優れていることに疑問に思った当主が試行錯誤のすえ、西宮郷の水に着目しました。そこで西宮郷で使われている梅の木蔵の井戸水を使って魚崎郷の酒を造ってみたところ、西宮郷同様の良酒ができ、これが『宮水』として使われたのが始まりです。
この『宮水』は硬度が高くリン含有量が多く、鉄分が少ない日本酒造りに最も適していると定評があり、昭和60年環境庁のさだめた「名水百選」の中でも「清酒醸造用水」として『唯一』選定された誉れ高き名水中の名水です。
-協会一号酵母(櫻正宗酵母)-
明治37年、政府は官立醸造試験所(現在の日本醸造協会)を設立し、安全醸造・酒質向上を目的として全国より優良な酵母を集めました。明治39年、当時醸造試験所の技師であった高橋偵造氏によって櫻正宗の酒母より分離された『櫻正宗酵母』は、その中で最も優れた酵母として選別され、日本醸造協会より名誉ある『協会一号酵母』として頒布されることになります。 この『協会一号酵母』は大正5年に試用されて以降、全国に広まり、昭和10年まで頒布されていました。しかし醸造技術の変遷や戦争を経て、『協会一号酵母』は各地の蔵から姿を消し『まぼろしの酵母』とされていましたが、近年、同協会に『協会一号酵母』が保存されていることが判明し、約60年ぶりに櫻正宗の蔵に里帰りしました。
-温故知新の思いをこめて-
平成6年に完成した櫻喜蔵(はなのきぐら)は最新設備を取り入れながらも、これまでの歴史・文化・技術・伝統の精神を引き継ぎ、商標の『櫻正宗』、家祖六代目の幼名『喜太郎』、宮水発見のもととなった『梅の木蔵』から、『温故知新』の思いを込めて命名された新しい時代の酒蔵です。『櫻喜蔵』には、創業以来、今も変わらぬ酒造りへの熱い想いが込められています。
-お客様の「おいしい」を常に追い求めて-
一般の酒蔵では異例ともいえる六人の杜氏。その杜氏たちが思いを一つにしてお酒を醸しています。また、醸したお酒は最後の一滴まで管理の行き届く様、『すべての酒を自らの手で』醸し続ける、自譲酒蔵です。
-商品の特徴-
-使用米-
最高級の酒造好適米 兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦
精米歩合35%・総米使用量750kg
-洗米・吸水-
15kg毎に手洗いで洗米し、秒単位の管理にて白米に目標とする水分だけ吸水させました(限定吸水)。
-酒母-
自社酵母を用いた速醸系酒母を選択し、約二週間かけ目標とする健全な酵母をじっくりと育てました。
-製麹-
門外不出の櫻正宗独自の製麹法である「神部法」で、もと麹・添麹・仲麹・留麹とそれぞれに目標とす4タイプの米麹を造り、仕込みに用いました。
※神部法(かんべほう)…米の一粒一粒を管理することを目的とした製麹法で、多大な労力を要するために十数年封印されていました、ですがその多大な労力と引き換えに主要な酵素力価を自在に操ることができ繊細な品質管理を可能とする製麹法です。
-醪管理-
低温発酵にて約一ヶ月間じっくりと醗酵を行いました。醪誘導する上で最も注力した点は、醪での主役である酵母の活性が終焉を迎えるタイミングと、目標とする酒質が出来上がるタイミングをぴったりと一致させることで、一切の油断を許さない管理を行いました。またその味わいは最終の飲み頃であるアルコール度数 15~16度に調整した際、最も美味しくなることを考慮して酒質の組み立てを行いました。
-上槽・斗瓶取り~おり引き~一次火入れ~熟成-
昔ながらの袋搾りにて一袋ずつ丁寧に醪を入れ、流れ出る清酒を1本ずつ斗瓶に詰めました。原酒の入った斗瓶はそれぞれ氷詰めし、数日間静置しました。その後上澄みをそっと他の斗瓶に移し替えおり引きを行いました。
おり引き終了後の原酒は瓶に移し替え、湯煎にて数十本ずつ丁寧に瓶燗を行った後、低温にて瓶貯蔵を行い、静かにじっくりと熟成を行いました。
-商品化(無濾過・瓶詰・二次火入れ)-
熟成された原酒に水を割り足し、飲み頃のアルコール度数15~16度としました。瓶詰後、湯煎にて火入れ(瓶燗)を行いました。
この清酒は、主役である微生物達が出来る限り自然にはたらき、米の自然な味わいが表現できるよう醸しました。ゆえに、そのままの自然な味わいを残すため、無濾過にて商品化いたしました。
※無濾過商品のため、おりの発生につきましては品質上問題はありません
-製造者-
清酒は決して一人の力では醸すことが出来ません。筆頭杜氏・森本文雄をはじめとして櫻正宗を代表する技術人8人(うち6人杜氏資格者)が最高のチームワークの元、四百年の伝統と最高のお米、そして手間暇を厭わず、櫻正宗の持てる技術を贅沢に費やしました。
~味わいの特徴~
やわらかな米の旨み、華やかな香りを冷や・常温でお楽しみください。
櫻正宗の四〇〇年の技術と伝統を凝縮した逸品。
酒造りに最も適した兵庫県吉川町産の「山田錦」を精米歩合35%にまで磨き上げ、四百年の技術と伝統の技で、洗米から瓶詰めまでの全てを手作業で造り出し、無濾過で仕上げた品格と華やかさを併せ持つ「純米大吟醸」です。
「山田錦」の純粋な旨味は最大限に引き出され、口当たりの良い中口で、きれいでやさしくやわらかい米の旨味と、華やかな香りが絶妙です。