-蔵元の紹介-
醸造元の「南部美人」は、明治35年創業の蔵元です。酒銘は、昭和26年に「全国的に精米歩合が低く、雑味の多い酒が主流の中で、きれいで美しい酒を造りたい」という思いと、蔵のある風光明媚な南部の地とのイメージから銘々されました。酒を醸すのは南部杜氏・山口一氏。平成4年には国の卓越技能者「現代の名工」の一人に選ばれています。
平成12年度は南部杜氏自醸清酒鑑評会で21年ぶりの主席第一位、全国新酒鑑評会で金賞、岩手県新酒鑑評会で県知事賞など数多くの賞を受賞、優秀な成績を得ています。
ほとんどの原料米は美山錦、吟ぎんが、トヨニシキ、かけはしといった県産米を使用しています。その米と折爪馬仙峡の中硬水の伏流水で醸し、炭素を用いない素ろ過で仕上げます。生酒は全量氷温貯蔵、大吟醸や純米吟醸酒は全て5度以下の冷蔵庫で貯蔵しています。
全体に味のバランスがよく、きれいな酒質の中に複雑な旨味が溶け込み、すっきりとした味が特徴です。
-味わいの特徴-
「南部美人 特別純米酒」は、地元の酒造好適米「ぎんおとめ」を55%まで精米して造られる、特別純米酒です。
「ぎんおとめ」は、岩手県が新しく開発した、岩手県北専用の酒造好適米です。県内初の酒造好適米である「吟ぎんが」 に続く酒米で、寒冷の岩手県北部でも栽培できる品種です。主な特長は、米が非常に柔らかで溶けやすく、充分な旨味を引き出せる事にあります。
上品でふくよかな味わいながら、全体にスマートさを感じる、すいすいと食中に楽しめる純米酒に仕上がっています。香りも穏やかで、食事のじゃまになりません。
豊かな大地の恵みをいっぱいに受けた、上品でふくよかな米本来の味を楽しむことができます。また、米や酒本来の味を大切にしたいという考えから、炭素濾過をしておりません。冷でも燗でも十二分に味わっていただける、風味豊かな一品です。