-蔵元の紹介-
醸造元の「樽平酒造」は、元禄年間(1688~1704)創業の蔵元です。「樽平」は、山形の古い方言で気持ちよくお酒に酔った状態のことを「たるべい」といったことによる酒銘です。「住吉」は大阪の住吉神社にちなんで命名されました。
「樽は水を吸って、何物かを出してくれる今まであらあらしかった酒がまろやかになり、味のバランスが取れてくる」と、蔵元は言います。その言葉のとおり、商品のほとんどをしめます純米酒タイプは、地元杜氏が昔ながらの手法で造り、吉野杉の甲付樽に入れて仕上げます。
日本酒本来の旨味や極味を大切にするこの蔵では、添加物を一切使わず、活性炭を使用した濾過を行わないもので、酒にほんのりとした自然の色があるのが特徴です。また、酸度がやや高めなのは、糖類やアルコールを添加しないので、酵母が醪(もろみ)を醗酵して造るフルーティーな有機酸が薄められず、そのまま製品に入っているためです。
-味わいの特徴-
「特別純米酒 銀 住吉 辛口」は、山形県産のお米「ササニシキ」を100%使用して造られる、特別純米酒です。
米だけで醸された純米酒は、もろみを搾ると自然な色がついた酒になっており、それを炭素濾過することで色が取れ無色となりますが、その際にお米そのものの味わいも、わずかながら除去されてしまいます。
樽平酒造では、酒の旨みの成分やなどを大切にするためにあえて濾過を行わず、味を調えるためじっくりと熟成を行い、最後の仕上げに『甲付樽』(杉の木のうち、表皮側の白と内側の赤との境目の部分で造られた、特別な樽)に入れる事により、昔ながらの酒本来の色・山吹色(黄金色)の純米酒となります。
その味わいは、熟成による芳醇な旨味と、酸・アミノ酸のバランスのとれた、キレのある辛口の軽快な風味となっています。樽由来の香りと、炭素濾過を行っていないふくよかな味わいとのバランスが絶妙です。
飲み方としては冷や、常温、お燗、とどの飲み方でも美味しく楽しめますが、より純米酒としての味わいを楽しむなら常温が一押しです。樽酒ならではの風味と香りをお楽しみください。