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新潟銘醸の「越の寒中梅 純米吟醸」は、芳醇な米の旨味と軽快な飲み口が楽しめるお酒です。蔵元が吟味したお米を自社精米で丁寧に磨き、お酒が美味しくなる気温の低い寒い時期にゆっくりと発酵させることで淡麗ながら深みのある味わいになります。出汁巻き卵、豆腐料理、ぶりの照り焼き、蕎麦との相性が良いです。
美味しいお酒を造る条件は良い環境で良いお米と水を使うことです。新潟が酒どころと呼ばれる理由は寒さにあります。お酒造りには一定の低温環境が必要で、冬場に雪に囲まれる新潟は温度変化がなだらかで、素直な味わいの日本酒を育てることができます。また、お酒に適した水は、発酵を進める成分が適度に含まれ、有機物が少なく、無味無臭なものの方が良いと考えられています。新潟銘醸が蔵を構えている新潟県小千谷市の特産物といえば錦鯉。お酒造りに用いている仕込み水は、錦鯉の飼育にも使われているもので、色味を良くするとされています。小高い丘陵地帯を水源に持つ、ミネラルの少ない軟水で、穏やかに醪が発酵するので特有の淡麗で柔らかな口当たりになります。
新潟銘醸の酒蔵としての創業は昭和13年(1938年)。酒類販売業の免許制度が国内でスタートした年です。昭和期からの開業というのは業界では若めな部類に入りますが酒造りの腕前は充分です。平成10年(98年)、関東信越国税局酒類鑑評会に出品した大吟醸は県内1位に選ばれました。翌年にはエリア全体のトップにあたる最優秀賞も獲得しました。以降もおごることなく研鑽を積み、受賞を重ねた結果、金賞受賞の成績は県内上位という高い技術水準を持つ酒蔵です。
酒蔵としては若手といえる新潟銘醸ですが、会社そのものは古い歴史を持ちます。明治期に「機那サフラン酒」で人気を呼びました。当時、薬酒の業界では今も知られている養命酒と2強を誇り、それによって成功を手にした後、新たな業種に挑みます。酒造はまだ先で県内の大手酒造メーカーと共同でホーロータンクの製造を始めます。お酒造りに木桶が使われていた時代で、ホーローの方が醪や微生物の管理が簡単なことから需要が右肩上がり。資金面だけでなく設備も整え、米どころ新潟の特性を活かして昭和から酒造りを始めました。
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